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がんとマウスモデル

世の中には、紫外線だとかたばこだとか、発がんのリスクを高めるものはあれこれある。
ただ、中には後で否定されたりとか、リスクがあまりないものも多々あって、これからも変わって行くだろう。
また最近になって、ピロリ菌の感染が胃がんのリスクを増大させているとか、子宮頸がんはほぼヒトパピローマウィルス(HPV)が原因とか、これから回避できやすそうなリスクも見つかってきている。

ただ、ほとんどのがんの最も大きな発がんリスクは
『加齢』
である。
これを巷では誰も議論しないのは、避けようがないからだ。

私たちは実験モデルとしてマウスを使っているわけだが、実はこの「加齢」リスクは厄介で、年を取るまで待っていたら時間がかかってしょうがない、という欠点がある。
長いと言っても2年程度なので、ニンゲンよりはずっと短いけれど、仕事として待てる範囲はある程度限られる。
がんを作ると思っていたのに、ぴんぴんずっと元気だったりすると、それまでの努力は何だったんだと、がっくり来る。

その上、なぜか知らないが、マウスはがんの転移が少ない。
がん自身を調べると、組織像もヒトとそっくりだし、変異を起こしている遺伝子たちも一緒だ。
悪性でどんどん大きくなり、内部組織に浸潤していったりするくせに、転移はずいぶん少ない(ほとんど見ない)。
そして、転移がないと、よほど元の場所が悪くない限り、がんをかかえながら、割と普通に生きているのである。
(さくさく子どもを作ったり、育てたりしている)
ヒトの場合、がんの転移が多く、見つかったがん自身は小さいのに転移していたため、そのあとが大変なんてことはよくある。

それにしても、ヒトに比べマウスは強いなと思うことがある。
たとえば、簡単な手術とはいえ、麻酔して頭に穴をあけたりした後、人間ならしばらくベッドに寝てるだろう。
マウスは麻酔から覚めたら、すぐ動き回り始め、普通にエサをガジガジやり、半日後には全く普通だ。
それに、マウスは頭の傷を縫った糸(もしくは手術用ステープラーの針)を引っ掻いて、すぐ取ってしまうのだが、それでも傷口はきれいなまま問題ない。
人間でもそれをやる人はいるようだが、まず傷口から感染し腫れて熱が出たりして大変だ。
マウスを飼っている環境がいいから、だろうか?
それよりマウスの方がずっと強い、気がずっとしている。

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