遺伝子・生物

できた〜

ほっとんど書いてない仕事の話。

Crispr/Cas9を使っての遺伝子操作が身近になったので、エレクトロポレーションでマウスKO作成を試した。
結果、初回一発で取れた。
しかも、培養や胚操作に弱いBALB/c系統。

いや〜、これはいい。

アデレード・ロゼラ: Adelaide Rosella

今日は涼しくなって過ごしやすい日曜だった。
朝は2時間ほどタビィと散歩。

うちのアデルはAdelaide Rosella(アデレード・ロゼラ:キアカクサインコ)。
これは真っ赤なアカクサインコの亜種になる。
この仲間は黄色いキクサインコも含め、全て同じ種(Platycercus elegans)。
原産地オーストラリアではカラーバリエーションを保ったまま生息している。
この赤いのがメジャーで、マイナーな黄色、赤色のと黄色のが混ざったのがアデレードこと、オレンジ色のキアカクサインコになる。
ところで、鳥飼いに知られているインコ・オウムの病気にPBFDというのがあり、オーストラリアでは蔓延している。
インコ・オウムにとっては発症したら治療法がない病気で死亡率も高い。
原因はウイルスBFDV。
(ちなみに人間は関係ない)
最近の研究では、この混ざったオレンジのアデレードは、このウイルスに抵抗力が強く、たとえウイルスをもらっても症状が軽いというのだ(元記事は→コチラ)。
つまり、強力なインフルエンザウイルスでも、もらって死ぬ人もいれば、ちょっと風邪気味で済んでしまう人もいる、というのに似ている。

・・・というわけで、ウイルスに強いインコ・アデルのシルエット。


Adele6


Today Sunday was not too hot and comfortable. So I walked around with Tabbie for 2 hours.

My Adele is the Adelaide Rosella. It is a subspecies of the red color Crimson Rosella.
In Australia, there is another yellow one, Yellow Rosella.
All are the same species(Platycercus elegans). And the Adelaide which has orange color is actually the hybrid or the Crimson and Yellow.
In Australia, one serious disease for the wild birds (parrots) is PBFD. It is from the virus, BFDV.
The resent research showed this hybrid one, Adelaide Rosella, is more resistant to the BFDV (">reference link).

So my adele is one of the resistant to the virus. Photo is her silhouette.

サイエンスとねつ造

だいぶん冷めてきたかなと思うので書いてみたい。
セケンを騒がせたサイエンス世界のねつ造事件である。

さて、今回の事件の場合、「これこれ新しい方法で新しい細胞(STAP)を作った」というものだろう。
(関係ないけど、最初見たとき「すたんぷ細胞かあ、ハンコみたいにできるのかな」とか勘違いしていた)

サイエンスはサイエンスでも、メンデルの法則の用に新しい理論を発見したとのと違い、これは「新しい細胞作り」というテクノロジー(技術)の分野である。
今回は出た時に疑わしいと思われたわけだが、こういう「新しいテクニック」のニセモノ(ねつ造)はけっこうある。
「錬金術」や「不老不死の秘薬」と同じで、昔々からどの歴史の中でもあるものだ。
ただし、(最近は)この手のものはすぐわかる。
他の人(ラボ)が再現できないからだ。

だいたい、本人がねつ造だと言う自覚があれば、外に下手に出さない。
バレるからだ、
出さない時点で、誰もがおかしいと思う。
サイエンスの世界は特許などの問題はあるが、あくまでも公表し公開してなんぼのもの。
他の人が全く使えない技術など無いのに等しい。
つまり、評価に値しない。

以前、「精子で簡単にトランスジェニック(遺伝子組換え動物)が」というのがあった。
しかし他の誰も成功せず、その当人も消えた。
たぶんねつ造だったのだろうが、たいした騒ぎにはならないまま(?)消えた。
(うちらの間では誰がやってもできないと騒いだが)
結局ねつ造など、今時あっという間に消える運命にあるのだ。



一方で今回のことも含めて、大きな別の問題がある。
小さなラボで若い研究者が論文を書こうと思った時、安価で簡単に使えるパワポなどで図表を作成すると、学会発表はともあれ、論文ではクレームがつくようになったのだ。
(ホンモノかどうか調べられないらしい(?))
サイエンティストにサイエンス以外の足かせを付けるようなものだ。
しかし、である。
そうこうしているウチに結果は漏れる。
でかいラボ、いい図表作りのプロ(イラストレーターなどのソフトを操れる人)がいる大きめのラボ、お金持ちのラボが、先取りして論文を書いてしまう。

実はこの手の横取りが横行しているのが、サイエンスの世界なのだ。
この傾向はけっこう以前からあって、けっこう問題になっている。
どんな論文も学会発表でも、送った時点で審査する人がいる。
審査するのは同業者なのだ。
前も「審査する論文をデスクに置いていたら、隣のラボの人が尋ねた時に盗み見てしまったのが原因」とかいう、「よその結果の盗み見がもと」の話があった。
現実はほぼ確実に「こんなのがあるよ」と話したのだろう。

「あ、これうちが今やってるのに近い」、と思うと、自分のラボの成果発表を加速させる。
何しろ有名ラボはお金も人出もあるので、高くつく実験を回数こなすのもラクなのだ。
ものにもよるが、1人でちまちまやっていると1年かかるものも、あっという間に出来てしまう。
図表のプロもいるから、きれいな図表があっという間にできる。
つまり無名の新人は、後ろ盾がないとよそに取られて消えてしまう。

特に日本人のなどは「英語が下手だ」とかなんくせを付けられているうちに、アメリカの別ラボが同じ結果を出してしまったりもする。
ラッキーだと一緒に発表、下手すると別ラボに先をこされ、「すでに出ているもの」扱いになってしまう。
(最近はこれを防ぐために、ちゃんとした国際学会で発表しておくと、「事前にやってる」ことの証明になる。ただし、あんまり早くに発表してしまうと、よそに先を越される)
これが業界以外の人が知らない、「現実のサイエンスの世界」なのである。

今回の事件も残念なことだし、問題だが、このような事件が原因で、優秀な芽を摘む傾向がよりひどくなるのではないか、というのが個人的な意見である。
(つまり「ホンモノかどうか確かめる」とかでガタガタ言われてるうちに、よそのラボが同じ結果を出す)



今回の件で(ニュースをちゃんと追ってないからか?)、ひとつよくわからないこと。
実験が必要な研究は、今やひとりでできるようなものはない。
一緒に働く人が必須だし、論文を出すにあたり、一緒に働いてくれた人を入れねばならず、また、その共著者の同意も必要だ。
特に評価の高い、一流紙であればあるほど、(盗作などを防ぐためにも)その辺はきっちりしている。
おかしいと思ったら、「こんなもんで共著は困る」と突っぱねればいいのだ。
だが、今回は「出てから」騒ぎになった。
出るまで共著者は1度も目を通してなかった、ということだろうか?
発表時に同意のサインを送ってるはずで、もしそれを本人の知らないところで、勝手に違う人のサインで送られたのだとしたら、問題は別にある。

少なくともうちのラボは、論文を投稿する際、もしくは、学会発表する際には、そこに共著で入る人全員に必ず「これを送るよ」「疑問があったら連絡してね」と連絡をメールで入れる。
論文で審査員から連絡が入った時も、全員にその情報を送っている。



ところで余談だが、「実験ノート」。
こっちでは手書きで日々の実験ノート書いてる方が少ない。
(年齢のいったパソの使えないテクニシャンとか)
アメリカなんて、学会でも発表を聞きつつパソにタイプでノート取ってるから余計だろう。
特に最近、紙を大切にしようとかでプリントアウトも最低限にしているので、全部パソの中だけだ。

そんなものを毎日手書きで書くのが必須だったら、本来のサイエンス以外の方で時間取られそうだ。
日本はよく働くが、なんか違うところで時間を無駄にしている気がする。

ねつ造かどうかで、やたら時間や金をかけるより、「まずは世に出して、成果をよそがどれだけ使い、どれだけ発展するか」を見る方がよほどいいと思う。
テクニック的なものに関しては特にそうだ。
全然別のラボがやってみてくれる方が、よっぽど信憑性が高くなる。
まあ、今回の場合、誰も試してみようとは思わないだろうけれど。

コンパスを持つ犬

鳥が磁気を見る事ができて方角を知る能力がある事は有名だ。
また、サケが元の川に戻って来るのも、磁気を感じて方向がわかるという。
こんな具合で、ほ乳類にも磁気コンパスを持っている動物はけっこういると考えられている。

そして、犬もまた磁気を感知する能力がある。
この磁気を感知する能力は、なんとおトイレタイムにも使われている。

犬を飼ったことがある人なら、誰でも気づくこと。
散歩のとき、くるくるとまわりながら位置をを定め、そして始めて用を足す。
これがだいたい「南北」の軸だとわかったのだ。

参考文献は→コチラ

これが出たのは今年、つまり、つい最近わかったところ。
人類は何千年も前から犬を飼い始めた、最古の家畜であるにも関わらず、誰も気づかなかったらしい。
みんな、「周りに敵や危険なものがいないか、確認するためにくるくるしてるんだろう」と思い込んでいた。
しかし、実際は磁気コンパスで南北を確認し、用を足していた。

というわけで、さっそくタビィと散歩する時、確認してみた。
今やiPhoneには、コンパスが付いている。
くるくるまわりだしたら、iPhoneを取り出して見ればいい。
・・・結果、ホントに南北に沿っている。
南を向くか、北を向くかはランダムだが、本当にどっちかの方に向かって用を足しているのだ。
なぜ、南北がいいのかは永遠にわからないナゾだろう。

・・・道に迷った時、用を足している犬を見つければ、およその方角がわかる。
南か北かわからないと役に立たないか・・・。

というわけで、犬を飼っていて、家の中でトイレシートを使っている場合。
長方形のトイレシートは南北方向に置いてやるといい。
はみ出し事故が減る可能性あり。


・・・しかし、磁気を感知して方向を知る能力を失っているのは、実は人間だけだったりして。

同じ環境でも・・・

Fattymouseラボの動物室で飼育している中で、最高記録。
このマウス、よく知られた太っちょマウス(ob/ob)のようにホルモン異常でもなんでもなく、普通のハイブリッド(雑種)マウス。

雑種は強いと言われるが、そうではなく「バラエティが豊富」。
その中で非常に強いのも弱いのも、でかいのも小さいのも生まれる。
兄弟は同じ飼育室の同じケージで同じ環境で同じ餌にも関わらず、半分のサイズだったりする。


そして一度こうなってしまうと、この体重を維持するために食い続けるのだ^^;
(脂肪を維持するのにもカロリーがいる)
これが痩せてきたら、どこか病気(がんとか糖尿とか)か、年を取って胃腸の消化吸収能力が衰えるか、である。


問題は、病気になる確率がググッとアップすることだろう。
這い回ればいいだけのマウスより、人間の場合は足腰に負担が大きい事も問題になる。
つまり、ケージにいるマウスの場合は、がんなどの病気にならなければ、身体の負担が少なめで、けっこうそのまま生きてるということでもある。

最近の「犬のしつけ方」に関する疑問

犬を飼いだしたら、ネットで情報を得る・・・というのは、珍しくないだろう。
時代の違いを感じることも多い。
だけれども、「なんだかなあ」と思うことも多い。

作業などに使う使役犬の教育はそれぞれあるだろうから、横に置く。

一番気になるのは、「犬のリーダーになれ」とかいう類いだ。
たとえば、ドアから出る時はニンゲンが先、食事はニンゲンが先、散歩もニンゲンが前・・・というやつ。

これが野生の「オオカミの群れのボス」の振る舞いだからだそうだ。
しかし、その研究されたオオカミのボスの行動というのは、「たぶんこうだろう」という「説」に過ぎない。
・・・そう、勝手にニンゲンがそう思い込んでるだけで、「マチガイかもしれない」のだ。

ましてやそれを、野生のオオカミではなく、全然違う「飼い犬」に適用できるか?
しかも、その理由は「犬はオオカミと遺伝的に近いから」。
どの程度かというと、97-98%ほど相同性があるという。
これはチンパンジーとヒトとの差と同じだ。
言うなれば、「野生のチンパンジーを模範にして、ニンゲンを教育する」というのと同じである。
それはちょっと違うだろうと、誰だって思うのではなかろうか?



犬とオオカミとでは、行動に大きな違いがあることがわかっている。
たとえニンゲンに飼われていて慣れていても、オオカミはニンゲンの方を見ようとしない。
たとえば、「おやつ」の入ったポットと、入ってないポットを置いて、こっち、こっちと指で指し示すと、犬はニンゲンの仕草を見て、まっしぐらに指の示した方に走る。
だが、この当たり前のような行動を、ニンゲンに飼われているオオカミはしない。
オオカミはこのニンゲンの動きをちっとも見ないのだ。
そして自分で調べて見つけようとする(当然確率は50%)。
オオカミは知能は高いが、「ニンゲンという生き物が情報を発信してくる相手」とは見なしていない。
ところが、犬は「ニンゲンは何かこっちに情報を与えてくれる」と思っている。
(参考→こういう英語の記事
つまり、「ニンゲンを見て、頼りにし、ニンゲンの情報を元に動く」動物をセレクトして出来たのが、犬。


以上のことを並べると、犬をオオカミが祖先だからと犬を教育するのは問題だろう、ということが、よくわかるはずだ。
だが、一方でうまく行ってるような時もある。
なぜうまく行くように見えるのか?
これは単に犬という生き物が「飼い主(ニンゲン)たちが大好きで、ニンゲンを見て、一生懸命理解しようとし、合わせようとしているから」だろう。

犬が教育できるのは、素直な子どものような性質も併せ持っているからだろう。
おいしい食べ物をくれる。
一緒に遊んでくれる。
そして何より犬は、飼い主が喜んでいるのがわかる。
オオカミが見ているのはリーダーかもしれないが、犬が見つめるのはニンゲンなのだ。

この性格のおかげで、どんなしつけ方もある程度はうまく行くのだ。
(ひとつ確実にダメなのは、暴力で(殴って)しつける方法。ニンゲンの子どももダメになるが、ペットもダメ。)

また、本当にトレーニングがうまい人というのは、犬の個性をすぐ見抜き、それぞれの犬のよいところを伸ばすようにうまく誘導する。
これは犬に限らないが。
似た感じで「子育てをした母親」というのは、そんなつもりでなくても、犬もよく言うことをきくように思う。
つまり、意識しなくてもうまくポイントを付いて、誘導してるんだろう。

ニンゲンの育て方に正解がないように、犬の育て方にも正解はないだろう。
そして10年もすれば、また違うしつけ方がはやるんだろう。




ところで、日本でのしつけ関係で変だと思った事。
「人の家の敷地に断りも無く、勝手に入って来る、他人」に吠える犬
「人の家を覗き込んでいる、他人」に吠える犬
問題は、このような行為をするニンゲンの方だと思うのだが。
こんな人に吠える犬の方がよほどまともだと思うのは、私だけなのだろうか?
日本ではどろぼうが家に入っても、犬は吠える権利も噛み付く権利もないんだろうか?

建て前と本音

この夏、日本ほどでないにせよ、フランスも猛暑だった。

エアコンもあって温度コントロールされているはずの実験動物室。
フランスには患者が入院している(公立の)病院にはエアコンがない。
猛暑で入院している患者の死亡数が他の月より増えたとしても、フランスでは問題にはならない。
だが、動物室の動物たちは快適にすごせなければならないのだ。
これは、マウスが快適にという愛護の精神だけでなく、「研究が一定の条件下で、結果が再現性のあるものになる」ためである。
暑い条件下で変わる生理は、そのようにコントロールされた条件下で行なわなければいけないのであって、夏やった実験と冬やった実験と結果が違うのでは意味が無い。

とはいえ、これは建て前だけで、エアコンがあるはずの動物室も暑くなるとちっとも効かず。
おかげで計測中の体重はみんな減るわ、バタバタと死ぬわ。
なんだかなあ。

しかも、動物室の管理人は、「何も問題ない」の一点張り。
これがフランス式・・・;
困ったもんだ。

さて、ようやく涼しくなって、20度なパリ。
だいぶん日照時間も短くなって、あっという間に冬に突入しそう。

イヌとオオカミ

最高が25度くらいと、気持ちいい、かつ天気のいい日が続いているが、明日から暑くなるらしい。
まあ、2−3日なら30度になってもいい。
たまには一句。
「いわし雲、これがさいごの暑さかな」




イヌに遺伝的に最も近い生き物はオオカミである。
オオカミは、小さい頃から飼育すると、ニンゲンにも慣れる。
それでもオオカミとイヌと大きく違うところがある。

前足の届かないようケージの中にヒモにくくりつけたエサを置く、外に出ているヒモを引っ張ってエサをとる。
このような知能に関しては、(個体差もあるが)オオカミもイヌも両方ともできる知恵がある。
それでは、ケージの中にエサをくくり付けて、見えるけれど取れない状態にしたら?
オオカミは足を出したり果てにはケージを噛んだりして、何とか自分で取ろうと10分以上も格闘する。
ところが、イヌは一応一通りやってみてダメだとわかるとすぐあきらめる。
そして、つぶらなうるうるした目で飼い主を見あげて、「何とかしてくれ」と訴える。
・・・ニンゲンの使い方を知っているのが、イヌなのである。

この辺に関してはネコも同じで、エサなど自分が欲しい時は、やはり飼い主に訴えにくる。
ただ、イヌはニンゲンに奉仕もするが、ネコは要求のみするのが違いかもしれない。

ネコの場合「ネズミを獲る」目的で家畜化された経緯があるので、それが必要ない家では仕方がないとも言える。

新たな食材

やっと涼しくなった。

何日も降らない日が続いた後、朝からものすごい豪雨。
長靴代わりにショートブーツ履いて出かけた。
そんな中でも、犬の散歩をする人も。
犬は雨嫌いもいるけれど、全く平気な犬もいるからなあ。
気温もばっちり下がって21度くらいで、その辺はよかった。
ただ、ヨーロッパの他の場所ではもっとひどい豪雨で、被害もいろいろあったようだが。

さて、ニュースでウケたのは、「フランケン・バーガー」。
vitro、つまり培養したウシの細胞から作り上げた肉で作ったハンバーガー。
何しろ培養なので、ぐちゃぐちゃしたひき肉みたいな形にしかならない。
ステーキはむりだが、バーガーなら可能。
ネーミングがかなりダメだが(人肉みたいだ)。
まだまだバカ高すぎてお話しにならないが、これならウシを殺さなくても大丈夫。
動物愛護の観点から行けば、バッチリオッケーだ。
ウシで出来たら、他の動物も可能だろう。
いろいろな魚の肉もできたりして、もう自然破壊しなくてよくなる。
いちいちDNA鑑定しないと何の肉かわからないところが、これからの問題になる・・・かも?

これでエネルギーの問題(つまり電気)が解決すればなあ。
真夏のぎらつく太陽で、蜃気楼が出るほど暑くなったアスファルト、あの熱を貯めて利用出来ればいいのに。

血糖値

血糖値という言葉を聞いたことがあるだろうか?
健康診断の血液検査でちょくちょく調べられるもので、血糖値がうまくコントロールできなくなり高血糖が続くのを糖尿病という。
なぜ尿なのかというと、コントロールできなくて血液をぐるぐるまわった上で、腎臓から尿に排泄される。
ムカシはそうなってからやっとわかったので、糖尿病なのだ。

この血糖値、実はヒトでもイヌでもネコでも、マウス/ラットでも似たようなものである。
血液の中の糖の量なので、同じ検査方法でいろいろな動物種で測れる。
特に絶食しない場合の正常値が80-140mg/dlくらい。
つまり100前後が正常である。
また、この調整システムも同じだ。

最近、私はマウスでちょくちょく血糖値を測っている。
摂食(calorie restriction)や間断的な絶食(intermittent fasting)が、がんなどの発生を減らし&遅らせ、寿命を延ばす効果がある。
彼らはほぼ常時食べて、寝て、しているのだが、エサを1日抜くと、かなり血糖値は下がり、60mg/dl以下になる(系統差あり)。
また、だいたい1割程度、体重減少がある。
エサを抜く、とはいえ、私たちの施設では床敷(木クズ)は敷いたままなので、ネズミはそれを食べてるらしく、また、自分の糞も食べるらしく、完全に何もなしとはならないのだが。。。
もちろん水は制限無しに与える。

これを2日続けた場合、2日目は血糖値も体重もほぼ横ばいになる。
そして、エサを再度与えると、それこそ1時間以内に140くらいまで上がり、その後すぐ正常値に下がる。
体重もたった半日で戻ってしまう(←リバウンドは減るよりも早い)。

そんなわけで、体重はちっとも減らないのだが、このような短期間の絶食を繰り返すと、寿命が延び、がんも減るなどの効果があると報告されている(たとえば→文献)。
オートファジーやがん抑制遺伝子p53の活性化も見られ、これらが効率よく傷ついた細胞を除いてくれる効果がある、また脂肪を燃やすと抗酸化システムも活性化する、などさまざまな影響がプラスに働くのだろう。
また血糖の調整にもいいと報告されている。
(たとえば→こういう文献




これが、鳥の仲間にもあてはまるのだろうか?
実は鳥というのは、ほとんど研究の進んでいない動物だ。

鳥類は実は血糖値が非常に高いレベルで維持されている。
ニワトリなんて普通で300mg/dlとかある。
ニワトリだけではなく、インコたちも同様だ。
ニンゲン(イヌネコでも)だったら、即入院・精密検査だろう。
ほ乳類でこんな高い血糖がずっと続いたら、いろいろな臓器がやられるからだ。
ところが、鳥の場合、ニンゲンみたいに120とかだと低血糖で危ない。

こんな鳥に摂食制限やちょっとした絶食が効果があるか?
これは誰も知らない。

そんな彼らにも、「高血糖」の「糖尿病」がある。
どのくらいになるかというと、血液検査で900とか1000とか行くのだ。
血液が甘くなってそうな数値だ。
ちなみに鳥の高血糖はヒトの用にインシュリンの不足や異常で引き起こされるのではなく、血糖を上げるグルカゴンの過剰である。
グルカゴンはほ乳類にもあって、血糖を上げる役割をになっている。
十分血糖値が高いのに、過剰に働いてなお上げるのだ。
そして、鳥ではインシュリン投与は効果がない。
今のところ、グルカゴンを調整する薬はないので、治療方法がないのが現実。

ただ、最近ヒトの糖尿病などでもインシュリンの異常だけではなく、グルカゴン調節にも問題がある患者がいるということが報告されてきている。
それをターゲットにした治療方法も、遠くないうちにできてくるのではないだろうか?
鳥というのはヒトと同じではない。
かといって、ヒトの治療が使えないわけではない。

そう思うと、せっせとマウスで研究するのもやりがいがあると言うものだ。
そうでも思わないと、イヤになるとも言えるけど。

2017年5月
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    2006年8月3−10日バルセロナにちょっと滞在した後、レンタカーにてピレネーに。アンドラに滞在しつつ、ドライブを楽しんだ。
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