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こっちはわかっても、あっちはわからない

私はがんに関係する研究をしている。
なので、職場には様々ながんや生命に関して知識は、それぞれの専門分野においては豊富にある。
前年にノーベル賞を取ったオートファジーのようなものも身近な話題だ。

そして、がん研究をしようとしているとマウスモデルもまた身近である。
さて、あるマウスモデルを研究していたあるお医者さん(フランス人)。
胃腸(消化器)の専門医。
彼が自分のモデルマウスをはじめて(解剖して)見たら、がんを作っているのを発見した!と、興奮気味にやっていた。
早速摘出された「がん」を見せてくれた。
チューブの中に入れられた丸っこい物体。
・・・それは精巣。
「2つもあったんだよ」
・・・そりゃ、そうだろう。


医者はニンゲンの剖検くらい一度は見てるだろうし、ニンゲンの組織のどういうものがどういうところにあるかは知っているはずだ。
そしてマウスにも同じ組織があることも、知識として知っている。
オスメスがあることも含めて。

でも、ニンゲンのお医者さんでは、マウスのオスメスは見てわからないのだ。
ましてや中の組織も見てわからないのである。



今日も今日とて、テクニシャンが「誰それから渡されたんだけど・・・」と見せてくれた容器。
その容器にはマウスの「肝臓」が入っていることになっていた。
だが、入っていたのは「胃」だった。
・・・。

さて、頭が痛いのは、これを間違えた人はある程度実績のある研究者なことである。
彼女はトルコ人だが、アメリカに長くいた。
そこでマウスモデルもやっていて論文もある。

間違いなくその論文で実際にマウスを扱ってサンプルを取っていたのは、別の同僚だろう。
履歴書には色々な研修も受けていることがあるが、理論だけ。
理屈では生き物は扱えないのである。

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