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ビタミンD

いきなり夏の陽気になり、パリでは外で過ごす人も多いだろう。
私はもうばてているが。

ビタミンDというのは、日本の血液検査で調べることはほとんどないそうだ。
こちらでは最近よく測るようになってきて、1年半ほど前の冬の終わり、血液検査の際に初めて調べた。

ビタミンDは日光(紫外線)にあたることで皮膚で合成する+食品、で得られるビタミンだ。

緯度が北の方で、冬は日照時間がぐっと少なく、しかも曇りや雨の多いので、けっこうビタミンD不足を心配する必要がある。
生活の変化、屋内での活動が増えたり、UVクリームは皮膚でのビタミンDの合成を阻害している。

最低摂取量は今のところ200IU(5μg)だが、EU全体では「ビタミンD3(5μg)」←動物性のビタミンD、植物性のはビタミンD2は含んでないとなっていたり、また、今の基準は低すぎると警告している調査結果も多いので、近々上がるだろう。。→コチラ(仏語)

これは、今までビタミンDは骨の形成に不可欠で、くる病を抑える、という意味での最低摂取量だった。
が、最近、ビタミンDの不足は骨の形成だけでなく、心疾患(心筋梗塞)、高血圧、糖尿病、大腸がんなどのがんの発症率など、さまざまな疾患にも影響することがぞくぞくと出てきているため。
一般に600IUか800IU/日取りましょう、というヨーロッパの雰囲気。
アメリカは1000IU/日とすごいアップ率だが、さてどうなるか?

また、白人のように白い肌と、アフリカンのように黒い肌を比べると、日光を浴びた時に合成されるビタミン量が違う。
白くて、焼けてない肌の方がビタミンDの生産量は多い。
(ちなみに黒い方が紫外線による皮膚がんは低い)
また、イスラム教徒の女性の用に、身体中を覆う服装をする人々にもビタミンD不足は多い(たとえアラブ諸国に住んでいても)。
そんなわけで、黒人、イスラム教徒の女性も含め、妊婦、子ども、高齢者などなどは、すでに摂取800IU(20μg)を推奨している。

血液検査で調べられる、血中のビタミンD(25OHD)がどれくらいだと「低い」というのか?
とりあえず30ng/ml(75nmol/l)-80ng/mlくらいが最も望ましく(疾患の羅漢率が低い)。
疾患による死亡率などなどが増えるのは15ng/ml以下という報告が多い。
というわけで、30ng/mlの人はビタミンD剤などの摂取を行なった方が望ましい。

日光浴は足りてないにせよ、私は魚卵好きだし、以前より魚も食べるようになったので、大丈夫だと思っていた。
ところが、1年半前の結果では低かった。12ng/mlしかなかったのだ。
これはまずい・・・。
確実にがん(や他の疾患)のリスクが倍増する。
というわけで、かかりつけ医はビタミンD3を出したし、せっせと大好きないくら(フランスにもある)を食べ、今回は28ng/ml。

「日本ではビタミンDは足りている」というのにも疑問。
くる病がないという観点ではそうかもしれない。
骨粗しょう症はカルシウム不足も影響しているだろう。
それでも、UVクリームも出回り、屋内で過ごす時間が増え、日光(紫外線)からのビタミンD摂取は減っているはず。
最近、大腸がんが増えたり、糖尿病が増えたりをなんでも食生活が西洋化で片付ける姿勢にも問題を感じる。

ところで、フランス語のをちらちら見ながらわからなかったのは、ビタミンD3(動物性由来:魚類に多い)をビタミンD2(植物性由来:きのこ類に多い)よりもよい、としているものを見ること。
私たちも動物なので、皮膚から作られるのはビタミンD3であり、それが不足していると考えているからだろうけれど。
それに植物性由来のビタミンDはホントにわずかだし・・・。

ちなみに不足ばかり強調してきたのは、過剰になるのはよほどの量のビタミン剤を取った時だけで、食生活ではならないため。
日光浴で作られるビタミンDも過剰には決してならない。

さて、日光浴(紫外線)はビタミンDは作ってくれるが、皮膚がんリスクは増えるし、また皮膚の老化もすすめる。
ほどよくはなかなか難しい。

また、数あるビタミン剤の長期服用の結果、効果がない、時には弊害があったと考えられる中、唯一効果があったと出たのは、ビタミンDである。
薬となると過剰は心配で、食品などで取れるのが一番には違いない。
ただ、年寄りになると皮膚のビタミンD合成能力も落ち、また吸収力も落ちるので、ある程度はビタミン剤にも頼った方がいいかもしれない。
ここらはこれから結果がどんどん増えることだろう。

面白いあたりは、高血圧の人にビタミンDを取ってもらったら改善した、などのデータ。
これくらいなら短期のトライアルでもいけるので、増えそう。
何しろビタミンDだと製薬会社に大した恩恵がない分、歪みが少なそう。

さて、これはがんや骨粗しょうなどの疾患の関連のお話であり、(私の大大嫌いな)「お肌をつるつるに」とか「健康にいいグッズ」などとかやっている人たちが「自分の仕事で売るために使う」ものではない。
彼らはこれらのまじめで地味な仕事を「自分の懐に入る金儲けに使っている」から嫌いなんだよね。
特に情報だけ得るだけで、その金を研究にはビタ1文回さないし。
そんな人たちにお金を払うより、普通に健康診断を受け、もらうんだったら保険の効く普通の医者からもらい、おいしいものを食べてる方がより健康。

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